
ハワイをこよなく愛する日本人カメラマン、平山ジロウさんに、ハワイ島の素晴らしさを語っていただきました。ビッグアイランド(ハワイ島)に魅せられてしまった平山さんのディープなお話は、ハッキリ言っておもいっきり必読モノですよ!お楽しみください!!!
聞き手 宝来存[Horizon] (編集部)
平山ジロウ profile
| 1967年 | 埼玉県浦和市生まれ。 |
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|---|---|---|---|
| ファッションフォトグラファーのアシスタントを経て大手広告制作プロダクション写真部に勤務。約12年間、多くの企業の広告制作・撮影に携わる。 | |||
| 1999年 | 独立しgravity graphicsを設立。広告写真(人物・商品)を中心に幅広い撮影活動を展開する一方、撮影セミナー講師を行うなど、その活動の場をひろげている。 | ||
| 2005年 | フォトイメージングエキスポ(東京ビックサイト)キヤノンブースで10人のアーティストの一人として作品が展示される。 同年9月 平山ジロウ、五野マサヒロ、松山サトシ、独自の感性でDeepなハワイを表現する3人が六本木HEARTLANDで、“Sweet Conversation”=本当のハワイとの対話をテーマにArt Jamを開催した。 |
日本人がいっぱいの観光地
- まず最初に、ハワイにどっぷり浸かってしまったきっかけから教えて下さい。
平山: ハワイに行く前に持っていたイメージは、『日本人がいっぱいぞろぞろ集まる観光地』という程度で、魅力をあまり感じていなかったんです。
- ハワイ好きではなかったんですか?
平山: 正直なところそうでしたね。しかし、撮影やロケでハワイに何回も訪れているうちに、『百聞は一見にしかず』と言いますか、仕事柄、一般の方が普通だったら行けないような場所に足を踏み入れたりするができたり、いろいろなハワイに触れていると、みんなの言う"ハワイの良さ "というものが、だんだんと解ってきました。
- 具体的に、どのあたりからハワイの良さを実感しましたか?
平山: 最初に強烈な印象があったのが、lanikai beach(ラニカイ・ビーチ)の美しさでしたね。とにかく美しい。静かで、島がぽつんとあって… そこには*ミシェル・ファイファーの別荘があり、(lanikaiは別荘地としても有名)その近くでロケしていたんですが、「さすがハリウッド!」なんて羨ましく感じてしまいました。それからオアフ島にある、映画「ジュラシック・パーク」のロケ地にも行き壮大な自然の景色に感動。ハワイの素晴らしさは、その時点で人並み程度には理解できていました。
*92年「バットマンリターンズ」でキャットウーマンを演じたハリウッドの個性派女優
Sweet Conversation
- この頃はまだ、どっぷり浸かっている感じではないですが?
平山: ええ、そんな時2005年にキヤノンの仕事を通じて、五野マサヒロさん(ハワイアーティスト)、松山サトシさん(フォトグラフィクスアーティスト)と出会ったのですが、このお二方が正真正銘の「ハワイ好き」で、お会いしたときには、ハワイをテーマにしたお仕事を既に数多くされていました。それで、ハワイについて色々お話をしていたら意気投合してしまい「3人で作品展“Sweet Conversation”をやろう!」ということでかなり速いペースで話が進みまして…。
- 作品展はどのような内容だったのですか?
平山: 五野さんがオアフ島のカルチャー[現代文化]をイラストで表現し、松山さんは独自のフォトグラフィクスで最北部のカウアイ島の枯れ行く島の姿を色鮮やかに表現することになったんです。じゃあ僕は、一番新しい島をフィーチャーしようと思いまして。で、折角なんで撮り下ろそうって事になって2005年7月「ハワイ島」に飛びました。要は単純に「火山」を見てみたかっただけなんですけどね… (笑)
ハワイ島ならHILOに行け!
平山: ハワイ島は、日本の四国の半分ぐらいの面積なのですが、世界22気候分布の内21種類が体験できる場所なんです。 4,000mもある山もあり雪も降るし、東側からは湿った空気が入りHILO(ヒロ)は毎日のようにスコールが降っています。その一方で、西側メインシ ティのKONAの方は気候も穏やかでいわゆる「リゾート地」という感もあります。
- 21種類の気候分布ですか。日本の四季なんて比べ物にならないですね。
平山: ええ、冬は雪山もみれるんですよ!。ハワイ島には空港がHILOとKONA(コナ)の2箇所あり、撮影の際僕は HILOの空港に降りました。レンタカーを借り、宿を目指して繁華街の方に行きました。ちなみにHILOって街は良い意味ですが、もの凄く枯れているんですよ。まるで昔のアメリカのような。Early Americanというか…
- KONAの方はどうなんですか?
平山: KONAは『リゾート地』で、とても綺麗です。ゆったり滞在するには凄く良い街でしょう。一方HILOの街は、高い建物が少なく古びた映画館や100年くらい前の建物とかがまだ建っている。まるでタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥ります。
富士山より高いのに…
平山: HILOからから少し見晴らしの良い所に出ると右にマウナケア(4,205m)、左にマウナロア(4,169m)が見えます。マウナケアとマウナロアって4,000m以上の山なのに遠くから見るとなだらかな山なのでそんなに高くは感じないんですよ。でも実際は富士山よりも高い。富士山のような斜面の角度がはげしくないから高く感じないんです。
- なるほど、山の斜面の角度によって感じ方が違うんですね。
平山: マウナケアなどは、なだらかな山なのでほぼ山頂のところまで車で行けてしまうんです。
- 楽な登山ができそうですね
平山: 山頂には世界各国の天文台が並んでいて、日本からも「すばる望遠鏡」があります。そんなてっぺんまで車で行けるので、確かに楽です。でも、楽な代わりに後で痛い仕打ちが待っているんですけどね。
マウナケア、2800m、オニヅカビジターセンター
- 何が待っていたのですか?
平山: 痛い仕打ちのお話をする前に、まずマウナケアの話をしましょう。車で登り始めるとまず、2,800mくらいに『*1オニヅカ・ビジター・センター』があります。マウナケアに登る人は必ずここに立ち寄りましょう!マウナケアは、365日のうち300日くらいの晴天率でとても晴れの多い場所です。しかも空気が綺麗で、湿気も少なく、車で山頂まで行けて、しかも光害もありません。世界中で天体観測に適した No.1のポイントがマウナケアなんです。「オニヅカ・ビジター・センター」には望遠鏡を作っている会社の寄付などで施設内に沢山の望遠鏡が置いてあって、夜になるとボランティアの人達が望遠鏡を出してくれて、無料の天体観測会で星を見せてくれるんです。絶対オススメですから、ぜひ行って欲しいですね。
*1:1986年のスペースシャトル「チャレンジャー」号の事故で亡くなった日系二世のオニズカ飛行士(大佐)の名を付けた、オニズカ国際天文学センター(Onizuka Center for International Astronom)に付設する施設。
- 必ず行きます!
平山: この天体観測会は、山を降りてから夜のメインイベント。まずは山頂を目指しましょう。
- お供致します。
平山: まず、オニヅカ・ビジター・センターのレンジャーの人から登山の諸注意を聞きます。ガソリンは十分あるかどうか、エンジンブレーキのかけ方とか、水は持っているかとか確認します。そして天体のビデオを観たり・・・つまり、ここで1時間くらいブリーフィングを行い、薄い大気に体をまず慣らすことから始まります。
- なるほど
平山: レンジャーの人に必ず訊かれる質問が『最近、スキューバはやったか?』なんです。スキューバダイビングをやってしまうと、気圧の差が激しすぎてしまうから登らせてくれません。それから車で登ると早く山頂に着いてしまうので、高山病になりやすいらしくレンジャーさんに「途中でパーキングがあるから、そこで休みをとりながら行きなさい」とアドバイスされました。しかし車で走っていると駐車場がどこにも見当たらない。(後で聞いた話で、駐車場といっても軽く土をならした程度の場所だったらしく、他の車が停まってなければ全然気づかないところだったらしい)それで、「あれっ!」と思っていたら、既に 山頂に着いていました。
平山: そうなんです。山頂には世界各国の天文台が並んでいて、日本のすばる望遠鏡もあります。その天文台が並んでいる場所から、あと何mか先に本当の頂上があるんですが、そこは『ハワイアンの聖地』となので、きちんと保護してあるんです。
- ますます行きたくなります!
平山: でもね、素晴らしい景色だったんですが、早く登りすぎたせいで高山病の様になって頭がふらふらするんです。
平山: 10枚くらい写真を撮ったものの気分は一向に優れず、本当はサンセットまでいようと思っていたのに、残念ながら断念して降りるはめになりました。
- それは残念でした。 結局、山頂にはどの位いたんですか?
平山: …30分くらいかな(笑)
敢えなく下山。しかし世界最高峰のポイントでの天体観測がタダで!
平山: 日没になると車のライトなどは天体観測の妨げ(光害のひとつ)になるので規制がかかります。また、車が走ると粉塵(ふんじん)も良くないということで夜は通行禁止になります。だから、ツアーで来た人たちもサンセットを見たら下にすぐ帰らされてしまいます。
- 下りれば「オニヅカ・ビジター・センター」が待っています!
平山: そう。「オニヅカ・ビジター・センター」まで戻ってきて、先ほど言ったボランティアの人達と一緒に星を見ます。僕が行った時は木星の縞模様がはっきりみえました。流れ星も絶え間なく降り注いで…。とにもかくにも、世界最高峰のポイントでの天体観測がタダなんです。本当に感動しますよ!
感動
平山: 満天の夜空に、ただただ感動です。もちろん日本でも観られる場所沢山ありますけど、ぜひハワイ島で「本物の夜空」を皆さんに見てもらいたいですね。月が出ていると、逆に月の光で星の見える数が減ってしまうので、できれば月が出ない日を狙って行くと、より素晴らしい天体観測が望めますよ。
ハレマウマウ クレーター
平山: もうひとつオススメなのが、ご存知キラウエア火山(1,247m)です。HILOから車で約40分ほど。クレーターリムドライブという道がキラウエアカルデラのまわりを一周(17.7km)しています。キラウエアカルデラの中にあるハレマウマウ クレーター、ここもハワイアン達の聖地、火の神ペレが住んでいると言われています。直径1kmもあるクレーターはとにかく絶景なので、ぜひ見て欲しいですね。
突然のロードエンド
平山: クレーターリムドライブからチェーンオブ クレーターズ ロード(Chain of craters road)に入り海の方に下りて行くと、1988年の噴火での溶岩流で道路が寸断されている所に着きます。溶岩流で道路が埋まっちゃっているんですね。その付近は現在も溶岩が流れているんです。
-ぜひ見てみたいですね。
平山: 終点付近に車を停めて、溶岩大地の方へ向かいます。すぐにレンジャーの小屋があるので注意事項とか今日の溶岩の状況等を聞きます。僕が行った時は、流れている溶岩を見るには、2時間以上歩くと言われました。
- 予想以上に大変だったんじゃないんですか?
平山: 真夏だったので気温もかなり高いうえに溶岩大地は真っ黒なので地面も熱いんです。かなりキツイ状況だったんですが、どうしても撮りたかったのでカメラ、三脚、水、懐中電灯を持って夕方出発しました。どうしても夜の溶岩が撮りたかったんですよ。歩き始めると、前方のゆるい山肌に赤く光る溶岩流が見えました。思ったより近いかなって思っていたんですが…。歩けど歩けど、なかなか着かない。
- まるで、天竺だ。
地球が生きている
平山: しかも溶岩大地はボコボコで足がすくわれてクタクタになりました。頑張って歩いていると、地熱がまだ残っている所とかを実感できました。最近まで流れていた若い溶岩が真っ黒になっているんですよね。それが永い年月で土になるんでしょうけど…。良く見たら真っ黒い溶岩は硬いガラス質なんです。スニーカーなどは、靴底と上側を結ぶための紐が周りを覆っているので、その紐とかがガラス質の溶岩のせいでボロボロになっちゃうんですよ。
- やっぱりトレッキング・シューズとかがベストなんでしょうね。
平山: そして、ここでも本当にビックリさせられたのが、『満天の夜空』でした。夜空には埋め尽くされた満天の星たち。地面は溶岩で真っ黒。そこに赤く流れている溶岩流と時々高く上がる火柱、そこで撮った写真がこれです。 (参照 : 左側が山、右側が海で溶岩が流れ落ち、火柱と水蒸気が発生している。このそばには危険なので近寄る事はできない)毎日毎日、溶岩が少しづつ海に注がれてハワイ島はちょっとずつ、ちょっとずつ、大きくなっているんです。車を停めた方に戻って行く観光客に「これから行くのか!?」なんて言われながら歩き続けました。夜も遅くなってくると観光の人達もいません。僕一人です。真っ暗な中、風の流れる音と、時折聴こえる波の音。そして、まるで血が流れるかのように絶え間なく溶岩が流れている。
「地球がちゃんと生きている」と実感できる場所なんです。
インタビューを終えて
平山ジロウさん、大変お忙しい中、貴重なお話をして頂き、本当に感謝しております。(また、当ポータルサイト『にほん de HAWAII』の方にも写真提供頂いております。)
ハワイを好きになってしまったお気持ちがヒシヒシと伝わってきて、素晴らしいインタービューになりました。
実は、お話を聞きながら、いつの間にか目頭を熱くしていた自分がいたんです。不思議な感覚でした。まるで平山さんが説教好きな学校の先生で、オイラが生徒みたいな。
授業中、先生から出題された難しい問題に生徒は頭を抱えます。でも先生の説教を聞いていくうちに、「答えはこの場所では見つからない、外に出なければ。」と気づき、じっとしていられなくて体がウズウズしてくるんです。目頭も熱くなってきちゃって。
そうです。実は簡単な問題だったんですよね、先生。
だって、ハワイに行けば必ず「答え」が見つかるんですから。
宝来存
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Vol3. 地球が生きている -平山ジロウインタビュー |










